国内初。水中ドローンで下水管渠調査191mの潜航点検

sugitec

こんにちは。空の領域だけでなく最近では水中での活用も進んできているドローン。狭義ではドローンは無人航空機を指す名称なので、厳密にはドローンではなないと思いますが、水中ドローン(潜水ドローン)という通称で認知されてきています。

その水中ドローンですが、人が調査を行うには危険な場所、困難な場所、またはコストが掛かる場所などに安全に潜航できることから、水中を調査する必要のあるインフラ施設の点検に活用される事例が増えてきています。

過去の記事では「SEKIDO」社が、船の船底やスクリュー部を水中ドローンで点検した事例を紹介しています。

今回もそんな水中ドローンでの点検の実施例がプレスリリースされていましたので、そちらをご紹介したいと思います。

水中ドローンで流域下水道の管渠調査。191mの潜航を達成

ドローン事業を手掛ける「株式会社ジュンテクノサービス」は、2020年3月12日に下水道、農業水路、ダムにある管、橋梁点検等、インフラ施設の点検、調査を行っている「株式会社ヒューテック」の協力で水中ドローンを使用した管渠調査を実施。

水中ドローンは360度の全方位稼働が可能なQYSEA「FIFISH V6」という機種を使用。

流域下水道の管渠調査を行い、191mの潜航を達成し生活環境の維持と原因究明に効果を上げたそうです。また、この100m以上の水中点検実証は国内で初の試みとなったそうで、今後も両社は連携を強化していくとのこと。

調査の概要

道路及び歩道から濁った水の湧き上がりを発見し、この内部状況を確認するために水中ロボットを使用したTVカメラ調査を実施。

この調査で伸縮管のズレを発見することができたそうですが、水中ロボットは20cm程の段差を乗り超えることすら難しく一時断念。そこで手段を変更し、水中ドローンを潜航させる点検調査の決断に至ったそうです。


出典:PRTIMES

水中ドローン×流域下水道の管渠調査による活用利点の特徴


出典:PRTIMES

自由度の高い全方位の操作と滑らかな映像の記録

操作の自由度が高く、目的となる場所へ素早く移動。もちろん静止画の撮影も可能です。

ロボットのみでは困難な段差のある伸縮管継手の点検もタイヤの大きさよりも低い位置から撮影し、ズレ幅の視認と段差を気にすることなく次の目標物を目指すことができます。

コストパフォーマンス

水中ロボットの導入には数千万円の資金が必要になることも多くあったそうですが、ここ2,3年では水中ドローンのバリエーションと製品性能の向上により、低コスト化を測ることが可能に。

自社への導入コストが10分の1ほどで実現できるとのこと。

また、水中ドローンは撮影のみに関わらず機体に取り付けることで、様々な課題解決ができると考えられており、次期モデルより販売予定とされているパーツでは高精度レーザースケーラー、サンプラー、ガンマ検出器などが控えているそうです。

まとめ

同社では水中撮影・点検調査・デモ潜水やその他の撮影の代行業務を取り扱っているそうで、その費用は同社のスタッフ2名の現地作業2時間程度で25万円~となっているそうです。

これは水中での調査点検を行う企業にとっては、費用が大幅に抑えられる、作業時間が大幅に短縮できる、作業員の安全が守られる等々、どう考えても導入しないという選択肢は無い程にメリットが多くあります。

これまで水中での点検は、主に国家資格をもった潜水士が潜って作業を行っていましたが、やはりその仕事も人手不足に悩まされているとのこと。まだまだ全てを完全に置き換えられるほどに万能ではないかもしれませんが、今の技術進歩の速さであればここ数年でドローンが当たり前になる可能性は高そうです。

◆記事参考:PRTIMES「ジュンテクノサービス、株式会社ヒューテック協力のもと 水中ドローンを活用した 流域下水道の管渠調査191mの潜航点検を実施」

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