株式会社マプリィ(以下、マプリィ)が、用途に応じたLiDAR機器の活用によって、現場ごとのニーズに柔軟に対応する3次元データ取得環境をサポートというリリースニュースをおとどけします。
建設コンサルタントの現場業務で使える高性能LiDARプラン

建設コンサルタント業界の現場では設計業務で現況図面がなかったり、点検・調査時に現地の調査漏れで再度現地に行く必要があることや、調査・測量できる委託先の減少など、カンタンに現地の正確な把握と効率的なデータ収集が求められています。
点検・調査の“ついで”に3次元データを取得できる高性能LiDAR
LA03-1は、両手が空いた状態で装着しながら使える背負い式LiDARです。踏査の際や、発注者との打ち合わせ時や点検・調査中に歩くだけで、現場の点群と動画を同時に記録できます。
砂防や橋梁、落石調査や林道設計、立木調査等において、これまでの業務工程から大きな時間を追加する事なく丸ごと現場を3次元点群データにし、内業や現場の負担を軽減します。
主な特長:
■歩きながら動画と連動した点群を自動取得
■両手が空く装着型で作業の妨げにならない
■植生に地形や構造物の形状・高さをそのまま高精度に記録
■山林の計測時に自動的に胸高直径、本数、樹高の解析が可能(立木補償の概算)

LA03-1で取得した点群と動画(動画を動かすと点群データも動く。クリックで寸法計測が可能)

取得したデータから立木の検出や地形フィルタリングも可能
LA03-1の詳細はこちら
https://service.mapry.co.jp/LA03/
高精度データの取得
より高精度なデータが求められる場面では、LA01-2が活躍します。
RTKによる数cm級の位置座標付き点群データを取得可能。現況平面図として道路周辺の設置物や側溝形状、道路幅員等の現況把握、地形の差分把握などにも適しています。
RGBカメラも搭載しており、色情報付きの点群データが取得できます。
主な特長:
■色情報付き点群の取得
■RTKで補正された高精度な3次元データ
■2~200mのレンジ切替。ドローンを飛ばせないような場所でも広域データ取得可能

LA01-2で取得したカラー点群(黄色は歩行した線形)

三脚固定時により明瞭な取得も可能(データから垂直距離(△Z)や水平距離(△XY)も取得可能)
LA01-2の詳細はこちら
https://service.mapry.co.jp/LA01-model2/
宅地や外構の取得
都市部や住宅地など、近距離での高密度データが求められるシーンにはLA03-2が適しています。
宅地造成や外構調査において、約1.3㎏(※バッテリー除く)と軽量・コンパクトながら正確な現況取得を実現します。
主な特長:
■路地裏など狭い範囲での詳細取得
■宅地・外構・都市部の現場に最適
■点検・撮影・図面作成など幅広い用途に活用可能

LA03-2で取得したカラー点群
機器で取得データはmapryPC版で簡単解析
取得した点群データは、共通のPCソフトで解析できます。機器付属のUSB(SSD)をPCに挿して読み込みボタンを押すだけで、難しい操作なく誰でも簡単に解析可能です。
主な機能:
■フィルタリング処理(間引き/ノイズ除去)
■水平・垂直距離の寸法計測。レベルの計測
■標定点(GCP)に合わせた座標変換(3Dヘルマート)
■地形フィルタリング(DTM/25cmメッシュなど)
■断面図DXFの生成(2D/3D)
■平面図作成用データ出力(GeoTIFF→CADに貼り付けて下絵としてトレース可能)
■点群+動画の同フレームでの再生
■点群データのLAS出力

断面図の作成(DXF出力)

地形フィルタリングDTMの作成

点群データを俯瞰画像(ラスタ変換)し、CADに取り込みトレース可能
Before / After ~LiDAR導入による変化~
現場の業務負荷を軽減して、内業時間の短縮に加えて3次元データを用いた管理・発注者への説明にも繋がります。
従来の課題 | LiDAR導入後 |
現場が遠い・急傾斜で何度も行けない | 3次元データで正確な現況把握 |
調査・計測は2人で1日がかり | 最低1人、最短時間で完了 |
図面と現場にズレがある | 点群+動画で確認可能 |
測量会社との調整に時間がかかる | 簡易な確認、測量は社内で内製化 |
価格(税別)
LA01-2:¥675,700(バッテリー・SSD付き)
LA03-1:¥295,000(バッテリー・SSD付き)
LA03-2:¥675,700(バッテリー・SSD付き)
R1 GNSSレシーバー:¥95,000
mapry測量 利用料:月額 ¥10,000
操作用端末(iPhoneおよびAndroid):別途
Ntripサービス利用料:別途
保守サービス:別途(測量中の破損時の補償)
※LA01-2、LA03-1、LA03-2の操作にはAndroid端末が、iPhoneのアプリケーション利用にはiPhoneの14Pro以降の機器が必要です。
それぞれの機器には特徴がありますが、LA03-1とLA01-2を併用することで、多様な現場に対応できる柔軟な体制が整います。例えば、山林の踏査や点検にはLA03-1を、高精度測量にはLA01-2を、といった使い分けが可能です。
導入後は業務毎の使い方サポートも承っています(オンライン・メールサポート込)
製品の詳細は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

■マプリィについて
マプリィは測量・林業・防災・農業・建設に関わる全ての方向けのサービスです。これまで測量機器費用負担や機器操作/解析が難しく、ハードルの高かった三次元データなどの取得、解析や活用を容易に行えるソリューションを提供しています。
資料引用:マプリィ
おわりに
3Dスキャナー業界のグローバルリーダー FARO社(実は近く本国米国では買収完了近い)の機器とMapry社の3つの機器を比較しまいがちだが、これは「高性能な万能ナイフ」と「特定の用途に特化した切れ味の良いカッターナイフ」のような関係性にあるといえるでしょう。
FARO社は、あらゆるニーズに応える高性能・高価格帯の製品を主軸に展開しています。
その製品は、大規模プラントや複雑な建築物、精密な品質管理が求められる製造ラインなど、「最高の精度と機能が不可欠」な場面でその真価を発揮します。
いわば、業界のスタンダードを築いてきた存在です。
一方で、Mapry社の今回のリリースは、FARO社がカバーしきれていない、より現場の日常業務に根差した「手軽さ」と「コストパフォーマンス」を重視する市場を的確に捉えた、非常にクレバーな戦略だと考えられます。
日本の建設コンサルタントの現場では、「ミリ単位の超高精度」よりも、「数センチ級の精度で十分なので、誰でも手軽に、迅速に現場を3Dデータ化したい」というニーズが数多く存在します。
Mapry社の製品は、まさにこの「かゆいところに手が届く」ニーズに応えるものです。
特に、29.5万円からという価格設定は、これまで高価で導入をためらっていた中小企業や、部署単位での複数台導入を可能にし、3D測量の「民主化」を一気に進める可能性を秘めています。
Mapry社の新製品は、性能面で直接FARO社と競合するものではありません。
むしろ、市場における棲み分けを明確にするものです。
Mapryは、日本の現場に特化した「ミドル・エントリー市場」を開拓し、3Dデータ活用の裾野を広げる役割を担っていくでしょう。
このリリースは、日本の特定市場のニーズを深く理解し、それに最適化された製品を投入するという、スタートアップならではの俊敏な戦略の好例と言え、今後の建設業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる重要な一歩になると評価できるでしょう。
□株式会社マプリィ
リリースニュース:https://mapry.co.jp/service/5519/
兵庫県丹波市春日町多田165番地(本社)
代表取締役 山口 圭司
HP:https://mapry.co.jp/
本件に関する問い合わせ:info@mapry.co.jp