AI活用がスタンダードになりつつあるクラック検出

sugitec

こんにちは。我々のように建物を末永く維持保全していく業務の中で、切っても切り離せない物にコンクリート構造物等のクラック(ひび割れ)等の劣化があります。

これらの調査は基本的にはクラックスケールを用いた目視点検であったり、場合によってはテストハンマーや超音波、電磁波、赤外線カメラ等の機材を使って剥離や空洞を調査することもあります。

例:弊社で調査した某所カルバートでの業務

こちらは昨年、某所でのカルバートで調査業務をおこなっていた際の様子になります。カルバートとは暗渠とも呼ばれており、分かりやすく言うとトンネルのような空洞の箱型になったコンクリート部品で、水路や簡易なトンネルとして使われています。皆さんも生活の中で、その中や上を車で通ったりしているはずです。

↓こういうやつです。

コンクリート製になりますので、当然ながらひび割れ等の劣化からは免れません。この時は高い壁面や天井の調査のため、高所作業者にて劣化調査を行っています。

まず調査前にはコンクリート面は大変に汚れていますので、それを洗浄するところから。洗浄には洗浄水が飛散しない「飛散防止洗浄工法」を使用。

↓洗浄していない部分と比べると一目瞭然の綺麗さですね。

この洗浄が一通り終わると調査に入る訳ですが、今回弊社では目視を中心に調査した情報を「SINQA」へ入力し、デジタル化するという方法にて行っています。

従来では手書きで記録している所も多い調査業務ですが、スギテックではデジタルデータ化することでトレーサビリティを確保しています。当然手書きでも後からデジタル化はできますが、その作業時間コストが勿体ないですね。このようにして調査を行い、そのエビデンスを基に報告書をまとめて提出~補修という形になります。

ロケーションによっては、デジタルカメラや赤外線カメラを活用しひび割れの抽出を行いますが、昨今ではディープラーニングを活用したAIの自動検出エンジンが業界でもトレンドになりつつあります。

コンクリートのひび割れ検出エンジン「ひびここ」

丁度昨年末に、また新たなAIひび割れ検出エンジンが商標登録されたというニュースがありましたので、少しご紹介したいと思います。株式会社システム計画研究所の開発した「ひびここ」というエンジンです。


出典:株式会社システム計画研究所

「ひびここ」概要・特徴

この「ひびここ」は、ディープラーニングを応用し画像からコンクリートのひび割れを自動で検出。ビルや橋梁、ダム等のコンクリート構造物の検査を強力にサポートします。

大量の画像の中からひび割れ箇所を特定することができ、ディープラーニング技術の応用で、表面の汚れや光の当たり具合の変化にも強く特性を持っているとのこと。

特徴1:ディープラーニングの応用で学習データに含まれていない未知のひび割れまでも検出し、少量のデータでも高速な学習を実現。

特徴2:画像の局所的、大域的特徴の両方を見据えた判定

特徴3:照明条件の変化に対して、高いロバスト性を発揮

特徴4:多様なテクスチャ、複雑なテクスチャにも対応可能

特徴5:ユーザーの用途や利用環境に合わせたカスタマイズが可能

まとめ

通常ディープラーニングでは学習データを基に判定を行うものなので、学習データが多いほどに精度は高くなるものですが、今回ご紹介した「ひびここ」では、少ない学習データでも高速で学習する技術となっている他、学習データに含まれていないAIにとっては未知のひび割れでもディープラーニングの応用技術で検出を可能にしています。

今やAIを用いたひび割れ検出エンジンも、大手ゼネコンやベンチャーから数多くのものが登場しています。各社それぞれ細かい違いがあれど、概ね同じものと言えるでしょうか?その辺りは実際に使用を重ねてみないとなんとも言えないかもしれません。

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