Matterport
生成AI「Genesis」を発表。
国内建設企業アンケートから見える現状。

sugitec

概要

米国カリフォルニア州サニーベール– Matterport, Inc.(Nasdaq:MTTR)が、世界各地で物件ポートフォリオの効率性と収益性の向上を求めるお客様に応え、デジタルツインプラットフォームに生成AIを組み込む新たなイニシアティブ「Genesis」を発表したというリリースニュースをお届けし、しめに、国内建設企業のアンケート結果をお届けいたします。

建物の設計、構築、管理に変革をもたらすイニシアティブ

Matterportはデジタルツインプラットフォームに生成AI(ジェネレーティブAI)と建物空間のインサイトを組み込み、不動産の様相を一変させようとしています。
これにより、インテリアデザイン、空間利用、エネルギー効率、安全性、アクセシビリティ、販売促進戦略の最適化が実現するという。

Genesisは、MatterportのCortex AIやProperty Intelligenceといったディープラーニングおよびコンピュータビジョンの革新技術と生成AIを組み合わせ、新世代のデジタルツインを実現します。

例えば、正確な寸法の3D空間から、インテリアを取り除いたり、新たにデザインしたものを表示したりすることができます。
新しいデザインコンセプト、運用時のレイアウトなど、空間利用の要件も、建物のサイズや住宅用・商用といった種別に応じて迅速に評価およびカスタマイズされます。

本プロジェクトは、Matterportの10年に及ぶ人工知能の専門知識と、市場をリードする3D空間データライブラリ(27億平米以上のデジタル化された物理空間データを格納)が基盤となっており、建築物の世界におけるあらゆる物件のマーケティング、管理、再構築を全自動で支援します。

「Matterportは、人工知能における初期の進展に支えられ、10年以上にわたって建築物のデジタルトランスフォーメーションで最前線を走ってきました」とMatterportの会長兼CEOであるRJ Pittmanは述べています。

「Genesisはその戦略を継承しており、Matterportとパートナーが建築空間の変革的デジタル体験を創出し、世界中の建物の運用を改善できるよう支援します」

Matterportのデジタルツインプラットフォーム上に生成AIを組み込むGenesis(特許申請中)は、不動産セクターの運用効率と意思決定プロセスの劇的な向上が見込めます。

Matterportの価値ある建築空間インサイト(示唆)と、物件の設計、レイアウト、活用を正確な寸法で限りなく現実に近い3Dで自動的に高める機能が融合されます。
主なユースケースは以下のとおりです。

インテリアデザインと空間利用:住宅所有者、設計者、物件管理者が、自動化された仮想インテリアデザインおよびステージングで物理空間を再構築できるよう支援します。
そうした空間利用を最適化する方法についての推奨なども行います。

設計と建設:住宅所有者、建築家、建設者が効率的で持続可能なアクセス性の高い建物を容易に構築できるようにします。

エネルギー効率:建物のエネルギー消費を削減する方法のインサイトを提供し、光熱費を節約してカーボンフットプリントを減らせるようにします。

保守と修理:建物の最も一般的な保守と修理の問題を早めに明らかにするとともに、問題の防止方法のヒントを提供し、問題が大きくならないうちに建物の所有者や管理者が対処できるようにします。

安全性とセキュリティ:火災の危険や建築基準法違反などの建物の潜在的な安全性とセキュリティリスクに焦点を当て、そうしたリスクの対処方法に関する推奨事項を示します。

また、Pittmanは「Matterportはデジタルツインプラットフォームに高度なAI機能を組み込んで新たな可能性を切り拓き、建築物の世界で物件と空間の管理方法を一変させようと尽力しています。これにより、新旧すべてのお客様にとって、物件のマーケティング、空間計画、建設、管理および保守が大幅に簡素化されるでしょう。」と述べています。

Matterportは、Cortex AIとProperty IntelligenceによりAIファースト戦略を着実に展開しています。
また、Genesisというイノベーションをデジタルツインプラットフォームに統合する計画を進めており、2023年末までに初期リリースを行う予定です。
MatterportはGenesisを通じてイノベーションと顧客価値を推進し、建物の世界をデジタル化するための強力なAIを開発し続けるとともに、世界中でデジタル化してきた27億平米以上の物理空間(現在も増加中)からお客様が新たな建築空間の価値を実現できるよう支援します。

おわりに

日経クロステック/日経アーキテクチュアが行ったアンケート記事を引用しておきます。

他業種に比べて対応が遅れているとされる建設関連企業は、生成AIの業務利用についてどのように考えているのか。主要企業にアンケートを実施した。
(今回の調査では、23年5月25日までに回答を寄せた以下の企業を集計対象とした。建設会社については大林組、鹿島、清水建設、大成建設、竹中工務店、浅沼組、奥村組、熊谷組、五洋建設、長谷工コーポレーション、フジタの11社から回答を得た。住宅会社については旭化成ホームズ、オープンハウスグループ、住友林業、積水化学工業、積水ハウス、三井ホーム(東京・新宿)の6社が回答。設計事務所については、石本建築事務所、久米設計(東京・江東)、佐藤総合計画(東京・墨田)、日企設計(大阪市)、日建設計(東京・千代田)、安井建築設計事務所、山下設計(東京・中央)、類設計室(大阪市)の8社から回答を得た。)

調査対象は計55社。建設会社は建築売上高上位20社、住宅会社は販売戸数が多い15社、建築設計事務所は設計・監理業務売上高上位20社を対象とした。各社に2023年5月12日時点の状況について尋ね、同年5月25日までに計25社から回答を得た。回答企業の内訳は建設会社が11社、住宅会社が6社、設計事務所が8社だ。

最初の質問は、生成AIの業務利用を従業員に認めているかどうか。回答企業の24%が「認めている」、12%が「対象者や業務内容を限定して認めている」とした。合計すると回答企業の約3分の1に当たる。一方、「禁止している」と回答したのは16%だった。最も多かったのは「特に方針を示していない」の48%だ。

大手ゼネコンでも対応は分かれている。例えば、大成建設や大林組、竹中工務店は利用を認める一方、鹿島は禁止している。清水建設は「特に方針を示していない」と回答した。

Q 「生成AI」の業務利用を従業員に認めているか?

回答社数は25社。内訳は建設会社が11社、住宅会社が6社、設計事務所が8社(出所:日経クロステック)

業務利用に関するルールや指針の作成状況はどうか。「作成済み」が21%、「今後作成する予定」が67%で、回答企業の9割弱が対応を検討していることが分かった。「作成済み」と回答したのは、大林組と鹿島、大成建設、竹中工務店、旭化成ホームズ(東京・千代田)の5社だ。

Q 「生成AI」の業務利用に関するルールや指針を作成しているか?

回答社数は24社。内訳は建設会社が11社、住宅会社が5社、設計事務所が8社(出所:日経クロステック)

具体的な活用事例はあまりないが、大成建設は「米MicrosoftのAzure OpenAI Serviceを利用した社内版ChatGPTの導入準備を進めている」とした。長谷工コーポレーションは「23年度中には従業員が活用できる環境をつくりたい」、奥村組は「業務利用に向けて、現在試行中」としている。石本建築事務所(東京・千代田)は「プロジェクト初期段階のブレストで活用している」などとした。

画像生成AIについては、大林組が22年3月に建築設計の初期段階でスケッチや3Dモデルから建物の外観デザインを生成する「AiCorb(アイコルブ)」を米SRI Internationalと共同で開発したと発表している。安井建築設計事務所(大阪市)は「業務での直接的な活用事例はないが、数年前から社内で建物内外観の生成などに関する研究・試行を行っている」とする。

「信頼性不足」や「情報漏えい」を懸念

生成AIに期待することを複数回答で尋ねたところ、最も多かったのが「書類や議事録の作成など日常業務の効率化」の23社。続いて「情報収集の効率化」(16社)、「技術提案書などの作成効率化」(9社)が多かった。

回答社数は24社。内訳は建設会社が11社、住宅会社が5社、設計事務所が8社。「その他」と回答した五洋建設は「アプリのソースコードなどの生成、デバッグによる各種システム開発の効率化」とした(出所:日経クロステック)

生成AIへの懸念についても複数回答で尋ねた。最も多かったのは「AIが生成した情報の信頼性不足」と「自社のノウハウや機密情報、個人情報の漏えい」でいずれも21社が選択した。次に多かったのが「顧客から提供を受けた機密情報や個人情報の漏えい」(12社)だ。積水化学工業は「懸念点があるため、現在は試用にとどめている」とする。

回答社数は24社。内訳は建設会社が11社、住宅会社が5社、設計事務所が8社(出所:日経クロステック)

アンケート引用 : https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02449/052500005/

生成AIの隆盛は始まったばかりかに見えるのは、メディアの取り上げ方で、私たちの日常のニュースの話題としてダイレクトに入ってくるからでしょう。
このアンケート結果から、見えてくるものは、「躊躇感」が漂うとライターは感じます。生産人口が暫時的に減少し、いかに効率化や生産性をカバーするかが問題視されるなかで、AIの広域的な活用に着手しない手はないのです。

心配なのは、過去の携帯事業のように「ガラパゴス化」したDX展開にならないようにとライターは思うのです。


参考・関連情報・お問い合わせなど

□Matterport(マーターポート)
https://matterport.com/ja
リリースニュース:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000111509.html

Matterportは、建築世界のデジタルトランスフォーメーションをリードしています。
Matterportの画期的な空間データプラットフォームは、建物をデータ化し、空間の価値とアクセス性を高めます。177カ国以上の何百万もの建物が、Matterportのデジタルツインとして生まれ変わり、計画、建設、運用から、文書化、鑑定、マーケティングまで、建物のライフサイクルのあらゆる部分を改善しています。
詳細はhttps://matterport.com/jaでご覧いただけます。
また、デジタルツインのギャラリー https://matterport.com/discoverもご覧いただけます。
マーターポート株式会社は米Matterport, Inc.の日本法人です。

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